Q&A:銀系無機抗菌剤Zeomic「ゼオミック」
- ゼオミックは銀ですか。
- ゼオミック=銀ではありません。 人工鉱物であるゼオライトに、銀イオンを担持したものです。 ゼオミックの一部として、銀イオンを含有しています。
- ゼオミックの安全性について教えて下さい。
- ゼオミックは国内外の公的専門試験機関にて各種毒性試験を実施しており、高い安全性を確認しています。
- ゼオミックは液体(水、有機溶媒)に溶けますか。
- ゼオミックは微細な無機化合物で、水にも有機溶媒にも溶けませんが、分散させることは可能です。無機顔料(酸化亜鉛等)と同様に扱うことが可能です。
- 粒径に関して、標準品よりも大きいものや小さいものはありますか。
- 汎用グレードは平均粒径2.5μm程度ですが、大きいもので10μm程度、小さいものでは1μm程度のグレードをご用意しています。
- ゼオミックの抗菌性能は、永久的に続くのですか。
- 永久的ではありませんが、消費される銀は非常に微量なので、長期に渡って抗菌性能は続きます。
- 抗菌の試験方法はありますか。
- JIS規格(ISO規格)があります。
- ゼオミックを製品に添加した場合、どのように抗菌効果が発揮されますか。
- 製品の表面に露出しているゼオミックに微生物が接触することで、はじめて抗菌効果が発揮されます。よって、ゼオミックが製品表面に露出するよう、均一に分散させることが重要となります。
- 食品接触用途にも使えますか。
- 使用は可能です。FDA認可を受けているグレードもあります。
- 日本の食品衛生法に準じていますか。
- 日本の食品衛生法の中で、抗菌加工の有無に限らず、食品に接触するポリマー製品を用いて、厚生省370号試験(昭和34年に示された食品添加物等の規格基準)を実施して、規格に合格することが求められます。 使用に際しては、厚生省告示370号試験を実施し、規格内であることを確認して下さい。
- ゼオミックを消臭剤として用いたとき、悪臭物質を吸着し続けると、どの位まで消臭性能が続くのですか。
- ゼオミックの消臭メカニズムは物理吸着及び化学吸着ですので、飽和した場合は消臭能力は無くなります。ただし、人間が感じる悪臭の閾値(いきち)は非常に濃度が低く、飽和に達するには時間が掛かることが推察されますので、長期に渡り消臭効果は持続すると考えられます。
- ゼオミックはどのようなプラスチックや塗料に添加できますか。
- ゼオミックは、無機顔料(色)と同じ扱いで添加することができます。 つまり、無機顔料(色)を添加できるプラスチックや塗料であれば、 同じ方法でゼオミックを添加できます。
- ゼオミックを添加すると、プラスチックの強度は低下しますか。
- 抗菌性能を発揮するために必要なゼオミック添加率は1%前後ですので、 プラスチックの強度を低下させる可能性は低いと考えられます。
- 銀系抗菌剤ですが、変色しますか。
- 使用する樹脂、添加剤により変色が発生する可能性があります。ただし、多数のグレードの中から最適なグレードを提案し、変色を抑えた製品の開発を共同で進めていきます。
- 品番表はありますか。
- 品番表はございません。用途・基材等に合わせ、100種類以上の品番から適切な品番を都度営業担当よりご紹介させて頂きます。お問い合わせにつきましては、お問い合わせフォームよりお願い致します。
- 製品の取り扱いについて教えて下さい。
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- 保管にあたっては、高温・多湿・直射日光を避け、冷暗所で保管して下さい。
- プラスチックや合成繊維練り込み用のゼオミックは出荷前に高温乾燥処理をしています。そのため、一般的に成形・紡糸作業前に行われる予備乾燥では、乾燥温度が相対的に低いため、かえって意図しない吸湿を招いてしまう場合があります。開封後は手早く計量・使用して頂き、極力その時間を短くして頂くことが理想的です。
- 使用残分がある場合は、密閉保存して下さい。
- ゼオミックの形状を教えて下さい。
- ゼオミックは無機粉末ですが、様々なニーズにお応えするために用途にあった形状をご用意しています。
粉体、プラスチック粒状体(マスターバッチ)、水分散体(水スラリー)、セラミック粒状体(造粒品)、破砕品(天然ゼオライト)等がございますので、用途に最適な材料を供給致します。 - ゼオミックの硬度について教えて下さい。
- モース硬度スケールで3〜4に相当します。
Q&A:Zeomic「ゼオミック」の水処理機能
- 水処理用の製品として、どのような形状がありますか。
- 粒状体(セラミック系、プラスチック系)、破砕品、多孔質体、不織布をご用意しています。お客様のご要望に応じて、成型物を作成することも可能です。
- 使用量をどの程度に設定すれば良いですか。
- 使用環境(水の入替わり頻度、汚染度)により水処理材の使用量は異なりますが、一般的に水の入替わりが少ない循環系では、水量に対して0.1%の使用を推奨しています。お客様のご使用環境にて、事前に効果確認試験を実施されることをお勧めします。
- バイオフィルム(ヌメリ)を除去・分解することは可能ですか。
- バイオフィルムの発生を抑制することはできますが、既に発生しているバイオフィルムを除去・分解する能力はありません。既にバイオフィルムが発生している場合は、事前に系内の清掃を実施した後にご使用下さい。
- 藻には効果がありますか。
- 既に発生している藻を除去・分解することは困難ですが、藻の発生自体を抑制することは可能です。既に藻が発生している場合は、事前に系内の清掃を実施した後にご使用下さい。
- 海水の処理は可能ですか。
- 海水中の塩化物イオン濃度が高く、銀イオンと塩化物イオンが反応し塩化銀を形成するため、抗菌性能は低下します。海水の処理は困難です。
- 取替え時期の判断はどうすれば良いですか。
- 色が変化したり、材料が小さくなったりすることはないため、目視での判断はできません。一般的に1年毎の取替えを基本として、各用途に合わせた設置量を事前にお客様と設計しています。
- スケール防止効果、防錆効果はありますか。
- そのような効果はございません。
Q&A:消臭・吸着剤Purgelite「パージライト」
- パージライトとは何ですか。
- 当社従来のゼオライトの合成技術とイオン交換技術に加え、無機と有機及び無機材料間でのハイブリッド技術を駆使して開発された、物理吸着と化学吸着(一部は触媒的分解能力)を利用した高性能な消臭剤です。素材から発せられる不快なにおいや健康を害する物質だけでなく、すでに空間に放出されているにおいや物質にも対応できる能力を有しています(ただし効果は加工方法や使用範囲によります)。
- ゼオミックとの違いは何ですか。
- パージライトの一部の品番はゼオミックと同じゼオライトを原料とし、同じ種類の金属イオンを含んでいるものもあります。しかし、ゼオミックで使用しているゼオライトでは吸着できるにおいの成分や物質が限定されているのに対し、パージライトはハイブリッド技術により幅広い種類のにおいや物質に対応することができるようになっています。一方、パージライトは消臭剤であるため、抗菌性は有しておりません。
- パージライトはどんなにおいや物質を吸着(除去)できますか。
- 品番によりますが、酢酸、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、トリメチルアミンのような一般生活臭や溶剤臭等、幅広い臭気に対応できます。ただし、パージライトの多くは直径が1ナノメートル程度までの細孔を有するゼオライトをベースとしているため、それよりも大きな径を有するにおいの成分や物質を吸着することはできません。吸着できるにおいの成分や物質の種類は臭気対応表のページにてご確認下さい(臭気対応表に記載の無いにおいの成分や物質にも対応できる場合がございますので、詳細はお問い合せ下さい)。
- パージライトはどんなものに加工ができますか。
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品番により適切な加工対象・用途が異なりますので、下表にてご確認下さい(表に無い加工対象や具体的な加工条件等は、お問い合せ下さい)。
パージライト シリーズ ZH CZU 3MH 7MH 9MH 3KZ NKS-ARP 樹脂練り込み(樹脂臭) ○ △ ○ △ ○ ○ △ フィルム
(環境臭気)○ △ ○ △ ○ ○ △ 不織布・繊維後加工
(環境臭気) 2○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 塗料・インク
(基材臭・溶剤臭) 1○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 衛生材料
繊維製品
日用品溶剤臭
樹脂臭
繊維製品内装材
フィルター- プラスチック練り込み・塗料・インク等への加工で環境臭気に対応させるには、パージライト粒子を空気と接触させる確率を高める等、加工上の工夫が必要です。
- アパレル等の繊維への後加工において、品番によっては洗濯等により効果が損なわれる可能性がございます。詳細はお問い合せ下さい。
- パージライトは液相(水中)からもにおいや物質を吸着できますか。
- においの成分や物質のサイズによりますが、吸着は可能です。ただし、極度に強い酸性やアルカリ性ではパージライトが分解してしまうため、使用を避けて下さい。
- パージライトは吸着したにおいの成分や物質を放出することはありませんか。また、再利用はできますか。
- ZHは、有機酸、アンモニア、硫化水素を金属イオンと化学的な反応で吸着するため、飽和に達するまで吸着させない限り、それらを放出することはありません(吸着飽和に達してからでも加熱しない限り、放出は認められませんでした)。ただし、すべてのパージライトで物理的に吸着している物質(特に疎水性物質)は加熱により放出する可能性があります。
化学的な反応で吸着しているにおいの成分や物質を再放出しづらいため、洗濯や水洗等で再生することは難しいと考えられますが、物理的に吸着しているにおいの成分や物質に対しては、加熱や減圧等で放出しやすいため、再利用は可能と考えられます。
Q&A:ハイブリッド防カビ剤Essen-guard「エッセンガード」
- 添加量の目安について教えて下さい。
- 樹脂の種類によって異なりますが、結晶性樹脂に対しては0.5% 〜 1.0%、非結晶性樹脂については1.0%〜 3.0% を推奨しています。
- マスターバッチでの供給は可能ですか。
- 可能です。
- 食品が接触する部材に使用することはできますか。
- 使用することは控えて下さい。
- エッセンガードを配合すると、カビは絶対に生えませんか。
- 使用環境によっては、防カビ加工を施した部材であってもカビが発生することはありますが、無加工品と比べカビの発生を抑えます。
- エッセンガードは、抗菌機能は無いのですか。
- エッセンガードの推奨添加量(0.5%〜1.0%)においては、防カビ効果以外に抗菌効果も期待できます。
- 防カビ効果のメカニズムを教えて下さい。
- プラスチックや塗料中に配合されたエッセンガードは、時間と共に防カビ活性成分を極微量プラスチック中に移行(ブリード) させます。このブリードした極微量の防カビ活性成分が、カビの発生を抑制します。
Q&A:化粧品用防腐剤Ceramedic「セラメディック」
- 化粧品用途で認可を受けていますか。
- 平成12年に化粧品用防腐剤として認可を得ています。(厚生省告示331 号『化粧品基準』)成分名は「亜鉛・アンモニア・銀複合置換型ゼオライト」です。
- セラメディックの特長は何ですか。
- 安全性、抗菌スペクトル、持続性、耐熱性のいずれをとっても、従来の化粧品用防腐剤に比べ優れた特性を持っています。
- セラメディックの実績はありますか。
- 販売開始より多くの化粧品に採用されています。特にメーキャップ等の粉体製品には幅広くご使用頂いています。さらに基礎化粧品では有機系やアルコール系の防腐剤の使用を避けたいお客様にご使用頂いています。
- 医療用具としての実績はありますか。
- 国内では、尿道カテーテルでの認可を皮切りに幅広い製品に検討頂いています。また、米国や中国でも実績を有しています。最近では院内感染率の引き下げの目的で、経時的な菌汚染に対する重要性も取り沙汰され、抗菌剤の検討が進んでいます。
- 医薬部外品にも処方できますか。
- 添加剤として処方が可能です。
- 防腐剤としての効果はどのくらいですか。
- 処方される製剤や量によって異なりますので、是非サンプルを入手して頂き、チャレンジテストを実施して頂くことをお勧めします。
- セラメディックには複数の品番はありますか。
- 銀の量により、数種類あります。 製剤によって選択して頂くことが可能です。
- セラメディックは変色や沈降の可能性はありますか。
- 製剤で処方されるその他の原料との相性により変色が発生する可能性があります。当社では各種製剤で一般的に使用される原料との相性のチェックを進めています。また、化粧水等の粘性の低い製剤では沈降します。その両方を解決する処方も検討を進めています。秘密保持契約が前提となりますがご相談下さい。
- セラメディックとゼオミックの違いは何ですか。
- 幅広い分野で使用されるゼオミックですが、セラメディックは、化粧品、医療用具等、いわゆる薬事関連分野で使用される製品向けです。製造段階からの品質管理はもとより慢性毒性試験等を含む多くの安全性のデータを提供させて頂きます。